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ベルナール・ビュフェ美術館「“ビュフェ・スタイル”とは何か?」2023年4月1日(土)〜11月7日(火)

ベルナール・ビュフェ美術館で、2023年4月1日(土)〜11月7日(火)の期間に開催される「“ビュフェ・スタイル”とは何か?」。
今回はその開催概要についてお伝えします。

 

 

《テーブル、食器》 1984年 油彩

 

《テーブル、食器》 1984年 油彩

 

 

黒い線、暗い色使い、細長い人物、まるで人のいない風景―
一度見たら忘れられない唯一無二のスタイル。
初期から晩期までの豊富な作品群で、ビュフェの画家人生を追いながら、
その「スタイル」をたっぷり味わい、その背景に迫ります。

 

 

《肘をつく男》1947年 油彩

 

《肘をつく男》1947年 油彩

 

 

ベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet、1928-1999)

第二次世界大戦後のフランスにすい星のごとく現れた青年画家。
灰色と栗色の画面、黒く鋭い輪郭線、画面を埋め尽くすひっかき傷のような線、顔に深い皺をきざみ、引きのばされやせ細った人物、不思議な配置の静物、人っ子ひとりいない町…虚無感に満ちた時代の空気を切り取り描いた彼の絵は、一度見たら忘れられない独特の輝きを放っていました。
20歳を前にして確立されたそのスタイルは、ベルナール・ビュフェという画家を唯一無二の存在に押し上げることになります。
その後ビュフェは50年にわたって制作を続け、その線や色彩を変化させ、描く対象を広げていきますが、何をどう描こうと「ビュフェ・スタイル」は貫かれていました。
若くして時代の寵児となり、画家であることの幸せと苦しみを常にあわせもち
ながら20世紀を駆け抜けたビュフェ。
この展覧会では、初期から晩年までの作品約100点を通してその変遷をたどるとともに、そこに貫かれた「ビュフェ・スタイル」を見つめます。
様々なテーマと表現に挑んだベルナール・ビュフェの芸術、そしてその人生と人物像を、たっぷりと楽しむことができるでしょう。

 

「一人の天才の才能を通じ、この大地に文化の花咲くことをのぞむ」

1973年(昭和48年)11月25日、ベルナール・ビュフェ美術館の開会式で創設者が述べたことばです。
それから50年、所蔵作品数は2000点を超え、ベルナール・ビュフェ美術館は、大きく成長してきました。
創設者がベルナール・ビュフェの作品と出会ったのは、日本が戦後の荒廃から
復興しようとしている時代でした。
「虚無感と無気力さの中に一筋の光芒を与えてくれた」と後に記すほど大きな衝撃を感じ、精力的に蒐集をかさねていったのです。
そして1973年、自分の故郷に近い丘陵地帯に美術館を創設しました。
創設者は、フランスにビュフェを訪ねては親交をかさねて理解を深め、ふたりは固い友情で結ばれるようになりました。
ビュフェはベルナール・ビュフェ美術館を7回訪れ、日本の文化と美術館周辺の自然を楽しみ、「我が子(作品)に会いにいく」「ここは(生涯を通じ愛した南仏)プロヴァンスに似ている」と言い、ベルナール・ビュフェ館を大切な場所として愛しました。
時代が移り、見る人の世代が変わっても、ベルナール・ビュフェの作品は変わらずここにあり、いつも新しい衝撃を与えてくれます。
50年目のベルナール・ビュフェ美術館、ビュフェの作品をあらためて、さまざま
に楽しむ年になることでしょう。

 

 

《サーカス:パレード》1955 年 油彩

 

《サーカス:パレード》1955 年 油彩

 

 

なお、期間中の水曜日と木曜日は休館日となっております(ただし5月3・4・5は開館)。
開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。

ベルナール・ビュフェ美術館 公式サイト
https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/



   


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