アートブログ
2023.3.15 [展覧会情報]
豊田市美術館で、2月25日(土)から5月21日(日)までの期間に開催される「小さきもの−宇宙/猫」。
今回はその開催概要についてお伝えします。
豊田市美術館では、「ねこのほそ道」、「徳富満――テーブルの上の宇宙」の開催にあわせて、コレクション展「小さきもの―宇宙/猫」が開催されます。
「世界の中心は今、美津保のベビーカーで眠るなずなの中にある」(堀江敏幸『なずな』)
小さきものは、生命の、事物の、原始にあたる存在だといえます。
そして小さきものは、その小ささゆえに、私たちを限りなく近くに引き寄せる求心力を持つのではないでしょうか。
小さきものを覗き込もうとする自分の姿を想像してみてください。
視線も気持ちも、いっさいがその一点に注ぎ込まれ、そこには私と小さきものだけの親密な空間が生まれます。
小さきものを護ろうとする態度は、祈りや希望にも通じるものです。
それゆえに、原始としての小さきものには、さまざまな世界の可能性が秘められているともいえます。
それは言い換えれば、小さきものが一転して、とてつもなく大きな存在であることを示しています。
限りなくシンプルで小さいことが、大きなものに接続する力となります。
小さきものは、私たちには感受することのできない世界の深淵にさえ触れているかもしれません。
小さき原子の粒は、宇宙を構成する可能性の粒。
それは、この人工世界に染まることなく、私たちを翻弄する小さき猫たちの存在にも通じます。
本展では、今年度寄贈・購入により新たに収蔵した作品も展示されます。
本展を通して、小さきものの大いなる力を想像していただければと思います。
・今年度新たに収蔵した作品を紹介
今年度の購入・寄贈作品のなかから秋吉風人、岡﨑乾二郎、寺内曜子、堀尾昭子、長谷川繁の作品が展示されます。
新たな作品の収蔵により、コレクションは常に更新・活性化されます。
新収蔵品をご覧いただくとともに、組み合わせの妙によって見えてくるコレクションの新たな魅力を体験していただけます。
また、 3月22日〜4月2日には、「令和4年度 新収蔵品展」も開催します。
合わせてご覧ください。
・「ねこの細道」「徳富満」展に通じるテーマ
二つの企画展を楽しんだ余韻に浸りながら、コレクションを体験することで、飼い馴らされない小さきもののもつ力や自由についての想像を膨らませていただけます。
なお、期間中の月曜日は休館日となっております(ただし5月1日(月)は開館)。
開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。
豊田市美術館 公式サイト
https://www.museum.toyota.aichi.jp/