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豊田市美術館「吹けば風」2023年6月27日(火)〜9月24日(日)

豊田市美術館「吹けば風」2023年6月27日(火)〜9月24日(日)

 

豊田市美術館で、2023年6月27日(火)〜9月24日(日)の期間に開催される「吹けば風」。
今回はその開催概要についてお伝えします。

 

澤田華《漂うビデオ(水槽、リュミエール兄弟、映像の角)》 2022年 シングル・ヴィデオ・インスタレーション
(プロジェクター、脚立、撮影用背景スタンド、他)

澤田華《漂うビデオ(水槽、リュミエール兄弟、映像の角)》 2022年 シングル・ヴィデオ・インスタレーション
(プロジェクター、脚立、撮影用背景スタンド、他)

 

 

思いがけず感じる清風、偶然目にとまった道端の花など、ほんのわずかな間だけ私たちを留める小さな発見。
この展覧会では、通常は見過ごされ、忘れられてしまうような細やかな発見や驚きに注目し、そうした体験を見つめなおしています。
本展のタイトルは、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の「咲いたら花だった吹いたら風だった」という一節からきています。
それがなにかわかるまでは「なにか得体の知れないもの」でよいと言い、先入観を取り払っておおらかな気持ちで物事を見ようとするこの詩人にとって、世界は新鮮な発見に満ちていたかもしれません。
本展に参加する4人の作家もまた、日々の生活や旅先での体験に取材しつつ、五感を介してなにかを感じるときに自身に起こる変化をつぶさに観察し、作品を見る人の細やかなものに反応する感性を刺激します。
会場では、4人の作家がそれぞれつくりだす4つの体験をお楽しみください。

 

 

川角岳大《Summer》 2021年 acrylic on canvas 撮影:中村マユ

川角岳大《Summer》 2021年 acrylic on canvas 撮影:中村マユ

 

 

参加作家

川角岳大(かわすみ がくだい)、澤田華(さわだ はな)、関川航平(せきがわ こうへい)、船川翔司(ふなかわ しょうじ)

 

 

展覧会の見どころ

新進作家による新作

本展で紹介するのは、近年注目を集める新進気鋭の作家たちです。
会場では、本展で初めて公開される最新作を含む、絵画や映像、インスタレーション、パフォーマンスなど幅広いジャンルの作品をご覧いただけます。

 

船川翔司《Hey, _》 2022年 ミクストメディア 撮影:中村寛史

船川翔司《Hey, _》 2022年 ミクストメディア 撮影:中村寛史

 

 

日常的な体験を問い直す

視界に入っていたはずなのに思いだせない細部、背景音楽のように聞き流したさまざまなノイズ、楽しいときは短く退屈なときは長く感じる時間など、私たちの記憶や意識、感覚が均一や単調とは真逆にあることは、だれしも経験上知っているでしょう。
本展の参加作家たちは、そうしたあいまいさや偏りを退けるのではなく、むしろ積極的に作品に取り込みます。
本展では4人の作品を介して、現代の社会で生活する私たち自身に日々なにが起こっているか、言葉やイメージに置き換えられない瞬間的で微細な変化を改めて見つめます。

 

会場に広がる4つの体験

たとえば川角岳大が素潜りや車の運転中の体験を思い出しながら淡く描く絵画は、時間の長さや空間の広さが伸び縮みするような感覚や、記憶の濃淡を思わせます。
あるいは、小さな謎を映画や写真、日常会話のなかに見つけ探る澤田華、風力計などのセンサーを用いて天気を作品に取り込む船川翔司、会場に自らの身を置きリアルタイムで作品を更新しつづけるパフォーマンスを発表してきた関川航平も、それぞれの仕方でひとがなにかを体験する瞬間になにが起こっているかをつぶさに観察し、鋭敏に反応しながら制作を続ける作家たちです。
会場には4人の作家がそれぞれ独自の視点で示す4通りの体験が広がります。

 

関川航平《今日》 2020年 パフォーマンス photo by Masanobu Nishino

関川航平《今日》 2020年 パフォーマンス photo by Masanobu Nishino

 

 

なお、期間中の月曜日は休館日となっております(ただし7月17日、8月14日、9月18日は開館)。
開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。

豊田市美術館 公式サイト
https://www.museum.toyota.aichi.jp/



   


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