アートブログ
2022.12.28 [展覧会情報]
豊田市美術館で、1月29日(日)までの期間に開催中の「ゲルハルト・リヒター」展。
今回はその開催概要についてお伝えします。
今日最も注目を集める画家ゲルハルト・リヒター。
1960年代の〈フォト・ペインティング〉から初公開となるドローイングなどあわせて約140点による、日本では16年ぶりとなる待望の回顧展です。
リヒターが90歳を迎える年に開催される本展は、身近な写真を拡大して描く〈フォトペインティング〉、ガラスや鏡を用いた作品、巨大なカラーチャート、そして抽象絵画など、彼が大切に手元に残してきた作品を中心に、60年にわたる画業を紹介します。
なかでも、自国ドイツの第二次世界大戦時の暗部であるアウシュヴィッツの強制収容所でひそかに撮影された写真を出発点にした〈ビルケナウ〉は、2014年にようやく取り組むことができたと画家が語る集大成的な作品です。
本店は東京国立近代美術館(本年6月-10月開催)との共同企画ですが、豊田市美術館では、東京会場とはまったく違う作品の配置に、豊田会場でのみ展示される作品を加えた構成で、「20世紀後半の最も重要な画家のひとり、そして21世紀の最前線の探究者」リヒターの作品を紹介します。
・現代アートの巨匠、待望の大規模個展
1999年のドイツ連邦議会議事堂の巨大なインスタレーションや、2007年のケルン大聖堂のステンドグラス制作など国家的なプロジェクトにも携わるなど、ドイツを代表する作家であるリヒターは「20世紀後半の最も重要な画家のひとり、そして21世紀の最前線の探究者」(ニューヨーク近代美術館キュレーターのロバート・ストア)として今日最も評価されている芸術家です。
2012年のオークションで存命作家の最高落札額(当時/ 2132万ポンド=約27億円)を更新し、近年でも2020年にメトロポリタン美術館で大規模回顧展が開催されるなど、リヒターは世界のアートシーンで常に注目を集めてきました。
リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館とDIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶりの開催になります。
・最新作を含むリヒター所蔵の作品で、60年におよぶ作家の画業をたどる
彼が手放さず大切に手元に置いてきたゲルハルト・リヒター財団のコレクションおよび作家本人の所蔵作品により、60年代の初期作品から最新作まで、貴重な作品約140点が、初めて一堂に会します。
これらの多様な作品を通じて、2022年に90歳を迎えた画家の、60年におよぶ画業をたどります。
・豊田会場のみの特別出品として2022年の最新作を加えて構成
2017年に絵画制作からの「引退」を公表していたリヒターですが、2022年5月のバイエラー美術館(スイス)での個展において鮮やかな色彩の水彩作品を発表し、「リヒターはまだ描いていた!」と話題になりました。
本展ではこの水彩作品の写真エディションを「特別出品」として加え、東京会場にて公開された2021年のドローイング作品とともにリヒターの最新の作品展開を紹介します。
なお、期間中の月曜日(2023年1月9日は開館)、年末年始(2022年12月28日-2023年1月4日は休館)は休館日となっております。
開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。
豊田市美術館 公式サイト
https://www.museum.toyota.aichi.jp/