アートブログ
2022.11.25 [アーティスト紹介]
アートブログでは、Live Art Japanでアート作品を販売するアーティストを取り上げ、インタビューした内容をお届けします。
どのように作品を手がけているのか、アートに対する考え方など、制作にまつわるさまざまな情報を知ることで、作品の魅力もより深く理解できるのではないでしょうか。
第2回は書家の小塩瀏蒼のご紹介です。
──どんな作品をつくっていますか? コンセプト、テーマ、素材、手法などを教えてください。
主な肩書きが「書家」ですので「書」を制作しています。
しかし、「書」というカテゴリは私にとって器だと感じており、従来の「書」の形式を用いて表現するときもありますし、まったく別の形式を用いて表現を試みることもあります。
作品の素材も紙、筆、墨にとどまらず、必要があればそれ以外のものも躊躇なく使用して制作します。
展示方法も壁面に「書」を掛けるだけでなく、空間に作品そのものを立体的に展示する手法も行っています。
──どのようなものごとから作品制作に影響を受けていますか?
私は庭師としても活動しており、伝統的な日本庭園や自然からイメージをもらうことが多いです。
日本庭園や自然の持つ「間」の美は、「書」をもってアートを制作する私にとって無限の感覚を与えてくれます。
この感覚は私自身が実際に作庭をし、日々樹木や石などに接しているからこそ持ち得る感覚だと思います。
──アートに対して、どのような姿勢でのぞんでいますか?
制限を持たないことです。ただし自身の書技の日々の研鑽を惜しまず行った上でですが。
展示方法、素材、用具、アナログの一点ものもよし、デジタルの作品もよし。
あらゆるものに可能性を見出し、挑戦し続けて行きたいと考えています。
──これからのアートシーンに求めるものは?
正直、「書」は多くの方からみて、アートとしてまだまだ認知されていないと感じます。
どちらかと言えば「習うもの」とか「読めないもの」とか。
書の展示会場に訪れるのはほとんどが出品者や関係者ではないかと思います。
その現状を少しでも変えて行けるよう、多くの方が「書」に興味を持っていただけるような作品を制作していけたらと考えます。
また、「書」がアートとして認知され、生活の中で普通に部屋に飾られるようになればと願っています。
──Live Art Japanアートブログ読者へのひとこと
日本では古来より床の間があり、そこには書であったり水墨画であったり掛け軸が掛けられていました。
現代では建築様式も変わり、掛け軸を飾る習慣もかなり減ってしまいました。
しかしアートとしての「書」も現代の建築様式にマッチするように進化しています。
ぜひとも普段の生活の中で、進化したアートとしての「書」に気軽に触れていただけたらと思います。