アートブログ
2023.3.3 [アーティスト紹介]
ゼノビッチ美奈子《蓮》
アートブログでは、Live Art Japanでアート作品を販売するアーティストを取り上げ、インタビューした内容をお届けします。
どのように作品を手がけているのか、アートに対する考え方など、制作にまつわるさまざまな情報を知ることで、作品の魅力もより深く理解できるのではないでしょうか。
第9回はゼノビッチ美奈子のご紹介です。
──どんな作品をつくっていますか? コンセプト、テーマ、素材、手法などをお答えください。
雲肌麻紙、金箔などの金属箔、岩絵の具、胡粉といった伝統的な日本画材に加え、シルクスクリーン印刷や、透明感を出すために色インクなどを併用した抽象・半抽象作品。
もともと東洋美術は抽象性が高いので日本画から考えると抽象は自然なことです。
──どのようなことから作品制作に影響を受けていますか?
民族音楽やインスタグラムで見かけた写真(現に数人のプロ・アマの写真をもとにした作品がかなりあります)や美術作品。
古典の日本画、古代美術、最先端の宇宙科学などいろいろです。
書家の作品をもとに制作した作品もあります。
10年近く習っている能をテーマにした作品も制作中です。
モットーとして、何らかの物語を感じられる作品にしたいと思っていますので、能のミニマルなストーリー展開が作品にしやすいです。
──アートに対して、どのような姿勢でのぞんでいますか?
ライフワークなので何があってもやるだけで特に何も考えていません。
一生かけても終わらないぐらいやりたいことはあるので、ひたすら作品に対する煩悩を追いかけているだけです。
──これからのアートシーンに求めるものは?
アートという究極のニッチ市場で活動する作家にとってインターネットは必要不可欠です。
インターネットがなかった時代を知っている世代ですのでありがたみがわかります。
当然ながらネットの世界も商業主義が激しいですが、インターネットのそもそものコンセプトである、公平で平等なコミュニケーション(インターネットの概念と技術は無償で提供されたのでここまで拡がったのです)に則って、はやりものだけではない多様なものが共存できる世界であってほしいと思います。
──Live Art Japanアートブログ読者へのひとこと
いろんな意味で極端化して二極にゆがみがちな今の世界で、文化や芸術の大切さ、人の心や精神性の重要性を感じます。
善悪、敵味方、の間を埋めるのが文化であり芸術だと思います。
執筆:Live Art Japan編集部