アートブログ
2022.12.2 [展覧会情報]
弘前れんが倉庫美術館で、2023年3月21日(火・祝)までの期間に開催中の「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」。
今回はその展示概要についてお伝えします。
本展では、弘前れんが倉庫美術館になる前の煉瓦倉庫で開催された、弘前市出身の現代美術家・奈良美智(1959-)による三度の展覧会の軌跡を、さまざまな資料、写真や映像で振り返ります。
1988年に渡独した奈良は、海外での活動も積極的に行う中で2000年に帰国します。
翌年から国内初の本格的な個展「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.」が全国を巡回し、2002年には煉瓦倉庫を会場として開催されました。
これを契機として、続く二つの展覧会「From the Depth of My Drawer」
(2005年)「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」(2006年)が煉瓦倉庫で開かれました。
タイトル「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」は、当時の煉瓦倉庫オーナー・吉井千代子(吉井酒造株式会社社長)が、奈良の作品に強く惹かれ、自分の倉庫で展示をしたいとギャラリーに問い合わせたというエピソードにちなんでいます。
この一本の電話が、吉井と奈良の出会いにつながり、煉瓦倉庫での奈良美智展が実現しました。
弘前での最初の奈良美智展から20年を迎える本年、煉瓦倉庫と地域との関係性において重要な意味を持つ、この三度の展覧会にあらためて光をあてます。
当時の印刷物やグッズ、記録映像の資料、展覧会準備の様子や展示風景を撮影した写真家の永野雅子と細川葉子による写真で構成します。
また、過去に出展された奈良美智の作品も一部展示します。
弘前での「奈良美智展」というひとつの事例から、地域のアートプロジェクトや美術館、そしてそこに関わる人々について考えをめぐらせるための場の創出が志向されています。
弘前れんが倉庫美術館は毎週火曜日(ただし3月21日(火・祝)は開館)および、12月26日(月)~1月1日(日)は休館となっております。会期中の開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。
弘前れんが倉庫美術館 公式サイト
https://www.hirosaki-moca.jp/