アートブログ
2023.7.14 [展覧会情報]
堀尾昭子《無題》2021年 豊田市美術館蔵 撮影:中村マユ
1960-70年代は、進む都市化によって周りの環境が目まぐるしく変わり、社会の制度や枠組みも大きく変化した時代でした。
写真や映像、音響の録音機器などが個人ユーザーに届くようになったのもこのころです。
そうした時代に美術作家たちは、たとえば車に乗って延々と続く高速道路を運転するときに開ける視界、日々目にするものをひたすらに写真に収めていく行為といった、あたらしくもすでに日常となった体験を作品へと接続し、目の前の景色を、文字や言葉を見つめ直し、口から発し、耳にする音を再考しようと試みました。
本展では「枠と波」をキーワードに、当館の所蔵作家のなかから、おもに1960-70年代に言葉や音、日用品や身近な風景を取り込み、見ることや聴くこと、体験することや記憶することそのものを制作へと重ねた作家たちを紹介します。
また、とりわけ狗巻賢二、野村仁、櫃田伸也、堀尾昭子、松澤宥の5人の作家については、70年代以降の作品も織り交ぜて展示し、50年ほど前から今日につながる問題意識を探ります。
◆出展作家◆
狗巻賢二
ジルベルト・ゾリオ
野村仁
アン・ハミルトン
櫃田伸也
ヨーゼフ・ボイス
アリギエロ・ボエッティ
シャルロッテ・ポゼネンスケ
堀尾昭子
松澤宥
三木富雄
◆みどころ◆
・豊田市美術館のコレクションから、1960-70年代の国内外の斬新な表現をご覧いただけます。
また、所蔵作家の日本国内では未発表の作品や数十年ぶりに公開される作品を借用し、あわせて展示します。
・美術史家、批評家、担当学芸員らのテキストを収めた充実した内容のリーフレットを製作します。
・企画展「吹けば風」とあわせてご覧いただくことで、今日の若手作家たちとの共通点や違いをお楽しみいただけます。
ジルベルト・ゾリオ《言葉を純化するために》1969年 豊田市美術館蔵 ©Gilberto ZORIO, 2023
松澤宥《白鳥の歌》2003年 豊田市美術館蔵 ©MATSUZAWA Yutaka, 2023
櫃田伸也《箱》2003-19年 豊田市美術館蔵 ©HITSUDA Nobuya, 2023
なお、期間中の月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)。
開催状況につきましては、公式サイトでご確認ください。
豊田市美術館 公式サイト
https://www.museum.toyota.aichi.jp/